![]() |
| 第2の書類(最大の質問) |
その何もかもが終わった日のことをはっきりと覚えている。それはコンピュータの処理能力が人類の脳を超えてから程なくのことであった。多くの者がここをターニングポイントだと考えていたが、そうではなかった。その瞬間はもう少しだけ後だったのだ。その場にいた私は覚えている、我々は最大の問いかけをしたのだ。千年もの間、我々が悩んできた問いかけを。
我々は何故、存在する?
だがこの時、その問いは我々自身に向けられたものではなかった。コンピュータに対して訊ねたのだ。そしてこれこそが、人類の歴史のターニングポイントだったのだ。まさにその瞬間が。ひとたび我々がこの惑星で最も進化した者でないことを認め、その座を譲り渡すと、我々の目的は潰えた。この最も重い問いに対して、コンピュータが音を上げるとでも思ったのか?もちろんだ。だからその時の驚きは想像に難くなかろう。
コンピュータは、質問に答えたのだ。

0 件のコメント:
コメントを投稿